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【キドニーグリル、盾型グリルなど】輸入車各メーカーのグリルの特徴を紹介

 

グリルは自動車の印象を左右する「顔」です。

 

もちろんクルマのエンジンルームに空気を取り込むという“機能”もありますが、そのデザインによって各メーカーの個性を表現するのにグリルが活用されています。

 

ヘッドライトやウインカーといった部品を保安基準に適合させつつ、グリルとマッチさせながら「かっこよさ」や「伝統」を伝えていくわけです。

 

今回は輸入車各メーカーの緻密に計算されたグリルたちを紹介していきましょう。

 

 

■エンジン冷却に必須だったグリルにデザイン性を取り入れた|BMW:キドニーグリル


 

 

BMWと言えば「キドニーグリル」と呼ばれる、左右2つに分かれたデザインのフロントグリルです。

 

キドニーとは英語で「腎臓」のこと。

 

そして最初にキドニーグリルが採用されたのは1933年〜1934年にかけて製造された「303」というモデルでした。

 

たっぷりとエンジンルームに空気を取り入れて冷却する必要があった当時のクルマには、現代とは違い大きなフロントグリルが取り付けられていました。

 

303にはそのグリルに特徴的なデザインが採用され、時代や流行に合わせて変化させながらもその伝統が受け継がれています。

 

 

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■現在のグリル大型化の流れを作った|アウディ:シングルフレームグリル


 

 

アウディが特徴的なフロントグリルを取り入れたのは、2006年に発表された3代目アウディA6が最初です。

 

アウディの歴史を考えるとかなり新しいと言えますが、逆に言えばそれまでは特に特徴のないグリルデザインだったわけです。

 

もともとスポーティでシンプルなフォルムだったアウディではありますが、プレミアムブランドとして「ひと目でアウディと分かる特徴」を取り入れるため、「シングルフレームグリル」を採用することになりました。

 

現代のクルマはラジエーターの進歩や燃焼効率の向上により大きなグリルは必要なくなったわけですが、あえてこのグリルを大きくすることで、迫力や高級車としてのプレステージ性を強調するという手法を取ったのです。

 

このシングルフレームグリルの存在が、各プレミアムブランドのグリル大型化につながったと言われており、まさに高級車にふさわしい威厳と存在感をグリルで表現した祖と言えるものなのです。

 

 

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■歴史と伝統が息づく独特の個性|アルファロメオ:盾型グリル


 

 

すぐにアルファロメオと認識できる特徴の一つが、この「盾型グリル」です。

 

逆三角形の形状で、このグリルの上部にはアルファロメオのエンブレムが配置されています。

 

このエンブレムには、創業地であるイタリア・ミラノの紋章である赤い十字と、昔ミラノを支配していた貴族、ヴィスコンティ家の蛇ビショーネを組み合わせた図柄が採用され、このグリルはその紋章を頂く盾というイメージになっています。

 

都市国家が発達し、各都市を貴族が支配していたという歴史を持つイタリアらしい、歴史と文化を感じられる独特のグリルデザインだと言えるでしょう。

 

 

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■もともとはエンブレムを支える“部品”だった|ボルボ:アイアンマークとアタッチメントバー


 

 

ボルボは丸と矢印を組み合わせた「アイアンマーク」と呼ばれるエンブレムが採用されています。

 

これはスウェーデンでは製鉄を表すマークとして古くから使用され、品質の良いスウェーデン製の鉄が持つイメージを活かし、自動車販売に役立てたいという理由で採用されたようです。

 

このボルボのエンブレムがグリルの中央に配置され、そのエンブレムを通すように右上から左下にかけて棒が配置されています。

 

これは「アタッチメントバー」と呼ばれるもので、1927年に初めて量産されたボルボ車「ÖV4(ヤコブという呼称で呼ばれた)」のグリルに取り付けられたものでした。

 

これはもともとエンブレムをセンターに取り付けるための“部品”だったわけですが、それが必要なくなった現代でも“デザイン”として採用されるようになり、それがボルボの特徴的なグリルデザインにつながっています。

 

ちなみに、現在ではすべてのモデルにアイアンマークとアタッチメントバーが採用されていますが、PV444/544、120アマゾン、P1800ESなどかつてはバーのないモデルも存在しました。

 

 

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■今でも愛されるアイコニックなデザイン|ジープ:丸型ヘッドライト、7スロットグリル


 

 

第二次世界大戦で活躍した小型四輪駆動車のジープですが、その機動性や耐久性から戦後も生産され、民生化されたモデルが今でも多くの人々に愛されているロングセラーモデルです。

 

このジープを特徴付けているデザインアイコンが「丸型ヘッドライト」と「7スロットグリル」です。

 

他のブランドに比べて非常にシンプルなデザインではありますが、それは機能性を優先させたモデルだったからこそ。

 

最新モデルのレネゲードやラングラーはもちろん、丸型ヘッドライトではないフラッグシップモデルのグランドチェロキーにも7スロットグリルが採用され、ラグジュアリーな雰囲気に仕上がっています。

 

軍用車両が成り立ちの機能性重視のモデルだったとはいえ、それだけシンプルで完成されたデザインだったということでしょう。

 

 

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■これからのトレンドになるかも!?|テスラ:グリルなし


 

 

アメリカの企業テスラのEV(電気自動車)にはグリルがありません。

 

モデルXやモデルSを見ると、テスラのエンブレムを中心に幅の狭いスリットのようなデザインが見られますが、モデル3やモデルYにはそれさえもなく、つるっとしたシンプルな面になっています。

 

EVにはエンジンがありませんからそれを冷やすためのラジエーターがなく、結果的にグリルも必要なくなります。

 

グリルのないクルマはなんともシンプルで不思議な感じもしますが、威圧感を高めるために非常に大きなグリルのクルマが多い昨今では逆に新鮮にさえ感じます。

 

EV化が進むこれからの時代のトレンドとなるかもしれませんね。

 

 

■おまけ:ブランド力の向上に貢献した強烈なデザイン|レクサス:スピンドルグリル


 

 

レクサスは2012年に登場のセダン「GS」から「スピンドルグリル」を採用しています。

 

これは2つの台形を上下にくっつけたような、真ん中がくびれたデザインとなっています。

 

「スピンドル」とは織物につかう道具である「紡錘(ぼうすい)」のことで、紡績機で糸を巻きつける部分のことを指します。

 

かなり威圧感のあるインパクトの強いデザインなので賛否両論あるところですが、現在のレクサスのアイデンティティになったことは間違いありません。

 

スピンドルグリルを採用する前は、エンブレムの「L」以外にこれといって特徴的なデザインがありませんでしたから、このグリルの採用がブランド力の向上に大きな貢献をしたと言えるでしょう。

 

 

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各メーカーの特徴的なグリルをご紹介しました。

 

グリルは機能であるのと同時に各車のイメージを左右する重要なデザインパーツでもあります。

 

EV化がどんどん進んで機能としてのグリルがその役割を終えた時、各ブランドのラインアップはどんな“顔”に変化していくのでしょうか。